岩倉哲也
日本
東京都
2020/05/27 登録
岩倉哲也
ジャズドラマーをやっています。ライブハイスでのセッションやアーティストのサポート活動をしています。
◆胡弓(こきゅう)と越中おわら節
最近は、胡弓(こきゅう)ブームだといいます。
各地ではコンサートはもちろん、初心者教室も開かれています。
しかし、富山県八尾町の「風の盆」で聞かれる越中おわら節の響きとは異なることに気づく人は少ないようです。
実はブームになっているのは中国の二胡(にこ)といい、越中おわら節には日本の伝統的な胡弓が使われています。
邦楽では約400年の歴史がある楽器ですが、どこか哀愁を帯びて人目を忍ぶ風情があります。
日本の胡弓を守り続ける人たちや、楽器の生い立ちのなぞを追ってみました。
東京は歌舞伎座の7月公演。
舞台では腹をすかせた市川猿之助ふんする力士くずれの駒形茂兵衛に、常陸の国取手の宿の2階から施しをする中村芝翫のお蔦が故郷の唄(うた)をうたいます。
それが越中おわら節で、長谷川伸原作「一本刀土俵入」の名場面となっています。
越中おわら節のふるさと、八尾の「風の盆」は毎年9月1日から3日間行われ、人口2万余の町に多くの観光客が訪れます。
高橋治の小説「風の盆恋歌」の舞台にもなりました。
胡弓の音色がたまらないと、毎年のように通うファンもいます。
いまや胡弓が入る民謡は全国でも珍しく、五箇山の麦や節とともに、富山県のこの一帯に集中しています。
岩倉哲也
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