杉崎賢次郎

  • 日本
  • 札幌市
  • 2021/09/07 登録

杉崎賢次郎

<中国のクラシック音楽界の歴史~1990年代>

中国のクラシック音楽界にとって、1996年は記念すべき年となりました。一つは政府が「中国国際交響楽年」に位置づけたことが挙げられます。中国文化省、同省所属の中国対外演出公司の主催で、西洋クラシック音楽のコンサートがこれまでにない規模で行われました。

4月に北京の人民大会堂ホールで行われた音楽年の開幕公演でシャルル・デュトワ氏がフランス国立響を指揮したのをはじめ、ウィーン・フィル、フィラデルフィア管、アムステルダム・コンセルトヘボウ管など、世界を代表するオーケストラが来演しました。

中国の聴衆がこれほど多くの一流楽団を集中的に聴いたことはありませんでした。中国有数の音楽ホール・北京音楽庁だけで、1995年一年間に300回を超える公演が行われるなど、中国のクラシック熱は一気に高まりました。

もう一つは、中国を代表する交響楽団だった文化省所属の中央楽団が「中国交響楽団」に再編成されたことです。中央楽団は、同じく文化省に属する民族音楽専門の中央民族楽団とともに中央レベルのオーケストラで、今回の再編で国の管理から自主経営に切り替わりました。これは、中国のクラシック音楽のレベル向上につながりました。

中央レベルの交響楽団としては、ほかに中央歌劇団や放送・映画・テレビ省に所属する四団体、軍の交響楽団がありました。上海交響楽団など地方の省レベルでも楽団を持つようになりました。

ただ、西洋のクラシックとなると、愛好者は都市の一部の人に限られます。国民の8割は中国の伝統音楽を好んでいます。交響楽も、西洋楽器で中国風のメロディーを奏でたり、中国と西洋の楽器を組み合わせたものが歓迎されました。

主な作曲家は中国音楽家協会創作委員会に属する数百人で、非会員を加えると全国で数千人はいます。「人民のために作曲する」のが中国政府の方針で、大衆が理解できることが作品の第一条件でした。

若い世代では西洋クラシックのファンが増えました。一人っ子政策で子供の教育が重視され、楽器を習わせる親が増えたことも一因で、人気があるのはピアノとバイオリンでした。

参考:https://www.youkudownload.com/

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